真空熱処理

真空熱処理について

真空熱処理は、1949年にアメリカで初めて工業的に利用され、航空宇宙関係、半導体関係など、熱処理後に高度な表面性状を求められる分野を中心に急速に発展してきました。現在では、これらの特殊な分野に限らず、あらゆる分野に広く利用されております。

金属を熱処理する場合、酸化・脱炭・浸炭・窒化などによる表面性状の変化を防ぐため、雰囲気ガスまたは溶融塩が使われますが、高温加熱の際に金属とガスまたは塩浴との反応を防止することは非常に困難です。

しかし、真空は金属に対して不活性であるため、理想的な雰囲気として用いられ、仕上げ加工をほとんど必要としない、光輝性にすぐれた良好な表面状態が得られます。

真空熱処理の特長

酸化しない（光輝熱処理）
1ppmの不純物ガスが残存する真空圧力は1×10^-1Paに相当します。
通常、真空熱処理は1×10^-1Pa以下の真空中で処理されますから、酸化されやすい金属でも光輝熱処理ができ、脱ガス効果もあります。

歪みが極少
真空熱処理加熱は、輻射熱だけで行われます。
このため他の熱処理に比べて、非常にゆるやかな昇温となり、処理品の表面と中心部の温度差が小さく、膨張・収縮が均一となり、歪みが少ない熱処理ができます。

後加工が省略できます。
真空熱処理したものは、表面は光輝性が保たれ、変形もごく少ないので、熱処理後の加工を大幅に削除できます。品物によっては、そのままご使用いただけます。

真空４軸ホットプレス

加熱室内に装入したワークを高温でプレス処理することにより各種材料の接合・成型処理を行なう装置です。

アルミロウ付け処理用の600℃から、高融点金属用の1300℃まで幅広い温度域に対応します。プレスラムとパンチの当たり面を球面状にすることにより、ワークの傾斜に対し偏押を防止します。

さらに、単一ワークに対しては、複数軸を同一プログラムで制御することにより全面にわたり均等な面圧が確保できます。

真空をより効果的に

弊社設備の高真空精密熱処理炉は

焼き入れ油を一切使用せずチャンバーはもちろん真空炉内に油分が侵入することはありません。

処理品出入れの際、前室と加熱室がゲートバルブで完全に遮断され加熱室内への大気の流入を防止しています。

このように炉体内部そのものの酸化を防止することで真空をより効果的に利用することができます。

Ti. Inconel. SUS薄板等、通常の真空熱処理でも酸化防止が困難な材料の熱処理に適しています。

その他、加熱から冷却まですべての工程を加熱室で行う方式を採用し冷却時の酸化を防止しています。真空をより効果的に酸化を根本から考え対応した弊社の真空炉を是非一度お試しください。