プラズマ窒化
プラズマ窒化は1932年ドイツにてB. Berghausにより発明され、1967年頃よりドイツ及びスイスで企業化されはじめました。当社では、新時代の表面処理としてプラズマ窒化法にいち早く着目、昭和52年に関連会社であります日本電子工業株式会社が開発した装置を導入し、プラズマ窒化処理の受託を開始いたしました。現在では同装置各機種を備え、独自の開発した処理技術をもってユーザー のご要望にお応えしております。
プラズマ窒化について
1×10²Pa~1×10³Paの窒素混合ガス雰囲気の中で炉体を陽極、被処理物を陰極とし、数百ボルトの直流電圧を印加すると、グロー放電が生じネオンサインに似た柔らかい光が被処理物を覆います。この際プラズマ化されたガス成分は高速に加速され、被処理物の表面に衝突し、これを加熱します。同時にスパッタリング作用等により窒化が進行します。
このように、プラズマ窒化はアンモニア分解ガスやシアン化合物を用いた従来の窒化法とはまったく異なる画期的な処理方法として、現在自動車部品をはじめとした各種機械部品・精密部品・射出成型機部品・各種金型等への利用が高まっています。
プラズマ窒化の特長
- 耐摩耗性、耐かじり性が良くなり疲労強度の向上に効果的な処理です。
- プラズマ化したガスのスパッタリング作用を利用するため、従来の窒化処理に比較して処理温度を幅広く選択でき、380℃程度の低温処理では歪量 を僅小に、また800℃といった高温域によってTi等の窒化処理をしております。
- 真空中での処理のため処理後の表面 は無酸化状態で得られ、表面荒さの低下が少なく、歪量の僅小と合わせ、後加工を省略もしくは簡略化することができます。
- N2、H2、Xガスそれぞれのガス比を調節することで化合物層の組成が調整でき、目的に合わせた機械的性質を得ることができます。
- ステンレス・チタン等の特殊金属の窒化ができます。
- 部分窒化(窒化防止)が簡単にでき、また鋼種によっては耐食性の向上がはかれます。
プラズマ窒化の応用例
エンジン部品 | タペット、バルブ、クランクシャフト、カムシャフト、サイドハウジング |
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伝道装置部品 | インターナルギヤ、ウォーム、シフトフォーク、ブレーキディスク |
工作機械 | ドライブシャフト、スプラインシャフト、ネジシャフト、ギヤ、ピニオン |
射出成形機 | シリンダー、スクリュー、スペーサ、ツインバレル |
金型 | 熱間鍛造、プラスティック |
自動車部品 | 変速機部品、ギヤ、シャフト、ターボ部品 |
一般機械部品 | シャフト、ギヤ、軸受け |